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防災士さんからのアドバイス 

桜環境センターのある桜区は水害の備えを

 

桜環境センターが立地する桜区新開地域は、2019年の台風19号で浸水被害がありました。そこで、桜区の防災士・向山幸雄さんと森茂雄さんに、桜区の防災についてお聞きしました。

 

<台風19号で水浸した第一調整池内にある彩湖公園>

 

<水が引いた12月の様子>

 

 

Q:桜区は荒川をはじめ、河川の多い地域です。
A:最近は台風、ゲリラ豪雨など1時間に100mmもの雨が降ることも珍しくありません。巨大な荒川があり、支流も多い桜区の場合、とにかく水害に対する意識と備えが必要です。

 

Q:土砂降りのときは危険が分かりますが、ほかにどんな時に気を付ければいいですか?
A:荒川が氾濫すると、桜区役所のあたりで5m〜10mもの浸水深になる可能性があるといわれています。
さいたま市には内水、洪水、地震、土砂災害の各防災ハザードマップがあります。ぜひ参考にして、ご自身の住んでいる地域にどんな災害が想定されているのか確認し、備えてください。
さいたま市/ハザードマップ (city.saitama.jp)

 

Q:2019年の台風19号の時はどうでしたか?
A:浸水被害にあった家の片づけの手伝いに行ったとき、住んでいた人は「(防災無線の避難勧告は)聞こえなかった」「知らなかった」と言っていました。「テレビでニュースを見ていたら、お尻が冷たくなった。見てみたら水が上がってきていた」という人もいました。浸水する時は音がしないので、気づくのが遅れるのかもしれません。

 

 

 

<秋ヶ瀬公園の様子(2019.10.13)>

 

<水が引いた後の秋ヶ瀬公園(2019.12.27)>

 

 

Q:暴風雨だと、いつ避難を始めたらいいか悩みます。
A:桜区の新開地域では、水害時の避難先は浦和区の仲町小学校です。歩くと距離があるのと、桜区は内水はん濫も多く通行が困難になる場合も想定されます。車での避難は危険です。また、昼間ならまだしも、夜、暴風雨の中を歩くのはとても難しいでしょう。マンションなどの上階へ逃げる垂直避難も考える必要があると思います。また、マンションの1階は、30cmの水位で扉が開かなくなります。だから私たちは、マンションの1階に住んでいる人には、「警戒レベル3(高齢者等避難)で必ず避難してください」と声を掛けています。
警戒レベルについては以下をご覧ください。
https://www.city.saitama.jp/001/011/015/004/002/p065358.html

 

 

 

<桜区桜田地域の様子。道路が冠水すると車での避難は難しい>

 

 

Q:避難時のリュックには何を入れたらいいですか?
A:荷物が重くて避難が遅れると困るので、自分に必要なもの、いつもの薬や、お薬手帳、一時避難の間だけ過ごせる程度のものだけでいいと思います。
ただし、家には最低でも1週間分くらいの食料の準備は必要です。ローリングストックといって、日ごろから日持ちする食材の備蓄を一定量保つようにしましょう。これがなくてもこれが使える、と行った知恵も必要です。

 

Q:備蓄はどこに置けばいいですか?
A:地震の備えには1階でいいのですが、水害に備える場合、一戸建てなら2階にもある程度のものを備えたほうがいいでしょう。別の地域ですが、床上浸水が始まってから物を2階に上げようとして非難が遅れたという話を聞きました。水は一気に上がってくるので、2階へ続く階段が水の通り道となり、家具などが押し流されると避難路をふさいでしまいます。はじめから2階に備蓄があれば、避難の時間を短縮できます。

 

Q:水害の復興には時間がかかりますか?
A:荒川が氾濫したら、「水が引かない」ということも考えておきましょう。例えば停電が起きると、マンションの場合は水が来なくなり、トイレが使えなくなります。エレベーターも使えません。ATMも使えなくなった場合はどうしますか? 復旧に時間がかかることも考えて、災害時に使えるトイレ、給水所などはぜひ確認しましょう。

 

Q:荒川の氾濫を防止するために調節池がありますね。
A:桜区に隣接する戸田市の彩湖を含むエリアが第一調節池です。
現在、第2、第3調節池を建設中で、これが完成すれば災害の危険は減るものと考えます。
荒川第二・三調節池 | 荒川上流河川事務所 | 国土交通省 関東地方整備局 (mlit.go.jp)

 

 

さいたま市のみなさんへ、防災士さんからのメッセージ
さいたま市では今まで、大勢の人が避難するような災害は起こっていません。災害を自分ごとにして、暑いとき、寒いとき、昼間、夜など、シチュエーションを変えて最低限でも何が必要かを考えましょう。また、家族で防災グッズを背負って避難場所まで歩いてみて、何分で歩けるか、どこへ避難するかなどを具体的に考えて「自分ごと防災マップ」を作ってみることをお勧めします。
桜区には防災士が22人います。さいたま市の防災課を通じて地域での防災訓練にも協力しますので、ぜひ、お声がけください。

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