ビオトープのお仕事紹介4:生きもの調査編
地域のさまざまな生きものが暮らす、さいたま市桜環境センターのビオトープ。「いつも、ゆっくり自然観察ができるなんて、いいわね~♪」なんて言われることもありますが、さにあらず。地域らしい自然の再生を目指すビオトープでは、見えないところで、さまざまな管理作業を行っています。
なんてことを言うと「えっ、庭園みたいに管理をしているの?自然じゃなくて人工じゃない?」と言わたりもしますが、これもまた、さにあらず。より自然な状態にするためには、手をかけた管理がどうしても必要になります。
今回のシリーズでは、私たちスタッフが、ビオトープで行っているお仕事の一端をご紹介しつつ、まちなかに再生したビオトープではなぜ管理が必要か、そんな疑問にお答えしていこうと思います。
生きもの調査のお仕事
桜環境センター・ビオトープでは、スタッフが毎日(休館日を除く)、ビオトープを見回り、生きものの種類や数、状態や発見した場所などを記録しています。見て確認する場合は、例えば、鳥なら「成鳥(大人)」か「幼鳥」か、昆虫なら「成虫・幼虫・さなぎ・卵」、植物なら「芽生え」や「開花」、「結実」など、確認時の形態も、記録します。このほかにも、鳴き声や匂い、痕跡などを記録することもあります。天候によって十分な調査ができない日もありますが、これを毎日、続けています。
こうした地道な日々の積み重ねによって、ビオトープが造られた2015年から現在に至るまで、生きものの種数の増加や、種類の変化などを、確かなデータとして分析し、読み取ることができます。
生きものの状況がデータとして分かると、分析することでさまざまなことを「読み取る」こともできるようになります。例えば「今年は昨年より暖かいから●●の開花が早い」といったことから気候の変化を捉えたり、「木陰が好きな●●を確認した」といったことから、ビオトープの木々が大きくなり木陰が生まれたことで多様性がさらに増している、など、生きものを通して、もう少し大きな環境の変化も見えてきます。
生きもの調査は、スタッフが直接確認する方法の他にも、野生動物調査用のカメラによる自動撮影や、毎年決まった時期の決まった地点で植物を徹底的にリストアップする「植生調査」なども行っています。自動撮影カメラには、人の気配に敏感な&夜行性の生きものが映ることも多く、貴重な記録となっています。先月はニホンイタチが初確認されました。
これらの調査の結果は、ビオトープの管理に反映させることはもちろん、facebookページでの発信、体験プログラムや解説、イベントや展示などに生かしています。
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