ビオトープのお仕事紹介3:湿地編
地域のさまざまな生きものが暮らす、さいたま市桜環境センターのビオトープ。「いつも、ゆっくり自然観察ができるなんて、いいわね~♪」なんて言われることもありますが、さにあらず。地域らしい自然の再生を目指すビオトープでは、見えないところで、さまざまな管理作業を行っています。
なんてことを言うと「えっ、庭園みたいに管理をしているの?自然じゃなくて人工じゃない?」と言わたりもしますが、これもまた、さにあらず。より自然な状態にするためには、手をかけた管理がどうしても必要になります。
今回のシリーズでは、私たちスタッフが、ビオトープで行っているお仕事の一端をご紹介しつつ、まちなかに再生したビオトープではなぜ管理が必要か、そんな疑問にお答えしていこうと思います。
湿地のお仕事
桜環境センターのビオトープの中には、細流の一部に「湿地エリア」を整備しています。この湿地エリアは、常に水がひたひた程度に浸かっていように管理しています。こうした湿地は、かつては、川の氾濫原などに多く存在しましたが、河川の改修や護岸化、開拓などによって、多くが姿を消しています。
地球上で最も生物が多いのは、水辺から陸地へと環境が連続的に変化する場所だと言われており、こうした湿地は、生物多様性の保全においても、とても大切な場所だと言えます。
ところで、ビオトープにおいて湿地の環境を維持するためには、いくつかの管理作業が「必須」になります。
まずは「草刈り」。
湿地を好む水草は数多くあり、放置するとすぐに水草が湿地を覆ってしまいます。そして、枯れ草や落ち葉が積もったり、周囲から土が流れ込んだりすることによって、陸地へと変化してしまいます。これを防ぐために、定期的な草刈りを行っています。
そしてもうひとつが、「耕耘(こううん)」。
「希少な植物もいる場所を、耕すなんて!?」と思われるかもしれませんが、実はこうした「攪乱(かくらん)」は河川の氾濫原では「氾濫」という形で数年に一度は起きていたことで、ビオトープではその代わりとして行っています。ビオトープでは、タコノアシがそんな環境に生えてくる種のひとつ。固く締まった土を耕して柔らかくし、堆積しすぎた泥は取り除くことで、水を多く含んだ良い湿地となります。
とはいえ、さまざまな要因で耕耘がうまく働かない場合もあると考え、湿地エリアは半分ずつ、「今年は右半分、来年は左半分」と交互に耕しています。
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